昨年6月に亡くなった渡辺一郎氏の遺稿「伊能忠敬の日本地図」が5月20日に刊行される。
本書は、伊能忠敬や伊能図・伊能忠敬の測量についてコンパクトにまとめた集大成ともいえる、ふくろうの本「図説 伊能忠敬の地図を読む」(渡辺一郎・鈴木純子共著、2000年2月初版、2010年12月改定増補版)を元に文庫版として再編集し、第9章と10章に渡辺氏の初期の目的であった伊能図探訪から始まった国外にまで及ぶ伊能図発見の経緯が追加されている。
第9章と10章に掲載された「伊能図の探検と発見の旅」は、渡辺氏のみが知る裏話も掲載されており、伊能忠敬研究会の25年余に及ぶ歴史でもある。
事典としても利用できる内容だが、文庫本なので嵩張らず持ち歩くにも便利である。 (菱山記)
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